人気メールマガジンの作り方概要〜どうすれば読者が増えるの? どうすれば人気メルマガになるの? 効果的なメルマガの告知方法はあるの? 徹底的リサーチにより、人気メルマガ発行のノウハウをリリースします。

メールマガジンに向いているテーマかどうか吟味しよう!

 それぞれの媒体で得意不得意がある。

 メールマガジンも同様で、どんなテーマならメールマガジンの特性が活かせるのか、人気メールマガジンになる可能性が高くなるのかを追求することが、人気メールマガジン作りの第一歩となる。

【 メールマガジンの長所と短所 】

 メールマガジンの長所と短所をざっと見てみよう。

 長所

  • 誰でも発行できる
  • 無料で発行できる
  • しがらみに左右することなく自分の思い通りのものを発行できる
  • 複雑な製作工程を経ないので出したいときに自由に出せる

 短所

  • どこの誰が書いているものだか分かったものではない
  • ほとんどのメルマガは収入が得られないので、片手間なものになる(可能性が非常に高い)
  • 企画を立てる編集、企画を通すか通さないかを決めるデスク(編集長)、取材と執筆にあたるライター、文字の間違いを正す校正者、見やすい誌面を作るデザイナーと分業できないので、思いっきり独りよがりなものになる(可能性が非常に大きい)
  • 締め切りという強制力が働かないので、継続的に発行することが難しい

 長所と短所がそのまま背中合わせとなる。

【 メールマガジン向きのコンテンツか、ホームページ向きのコンテンツは? 】

 どんなすばらしいコンテンツが見つかったとしても、メールマガジンの特性を活かせなければ意味がない。メールマガジンには不向きでも、ホームページに向いているコンテンツはあるし、場合によっては書籍でこそ成功するコンテンツもある。

 メールマガジン向きのコンテンツの基本は、「継続性に価値」のあるもの、これにつきる。

 雑誌を見てみると、連載ものと特集ものに分かれる。連載が良いとか特集が良いとかではなく、テーマの性質による。メールマガジンに向いているのは、雑誌に連載されるタイプのコンテンツだ。特集のように何ページも使って行う企画は、ホームページ向きのコンテンツになる。

 自分の発行しているもの(もしくは、これから発行しようと考えているもの)がメールマガジン向きのコンテンツか、ホームページ向けのコンテンツか考えてみよう! もし、雑誌の連載企画的なものではないならば、メルマガではなく、ホームページで勝負するようにしよう。

【 メールマガジンに適したコンテンツを見つけよう! 】

 継続することに価値があるテーマとして語学系のコンテンツがある。

 元英語講師の経験から言わせてもらえば、語学はコツコツ勉強しなければ身につかない。持続性のあるオタッキーなヤツに向いている。熱しやすく冷めやすい人間には向いていない。

 語学系のメールマガジンで秀逸なのは「2パラグラフ」だ。これはメールマガジンの特性をフルに活用している。毎日少しずつ英文が配信される。この程度の分量ならばさほど苦にならない。ネタは毎日英字新聞から拾えるから、コンテンツが途中で途切れることもない。毎日最新の英文が配信されるのも魅力だ。

 ホームページでこのコンテンツを提供しても、2パラグラフとはいえ、サイトには膨大な量の英文が掲載されることになる。そんな英文は見るだけでうんざりだ。書籍にしたら、英文自体が古くなる。古い時事英語なんて魅力がない(実際に書籍かはされたが……)。

 コンテンツと媒体の特徴が見事に一致した例である。

【 継続できるかどうかじっくりと考えよう! 】

 継続性に優れ、ネタ切れの心配がないといえば、ニュースサイトの紹介メールマガジンがある。代表的なメールマガジンは「WebCatch」だ。

 このメールマガジンはオイラも購読している。オイラの場合、パソコン誌とかでも執筆するので、インプレスとか、毎コミなどから発行されているメールマガジンはほとんど目を通してはいるが、メールマガジンで記事の配信されない新聞系のサイトの情報を補う意味で購読している。

 これも定期的に届くことに意味があり、ニュース紹介なので、ネタ切れの心配はない。メールマガジンの特性を十二分に活かしている。ただ、あちこちのニュースサイトや新聞サイトを毎日見なければならないので、非常に時間がかかる。とうてい仕事の片手間に趣味で出せるものではない。

 コンテンツと媒体の特徴が一致したテーマでも、持続的に発行できるだけに時間があるか考える必要がある。

【 速報性に価値のあるコンテンツを見つけよう! 】

 メールマガジンの特徴に速報性がある。新鮮な情報を受動的に読めることで価値が高まる。ホームページは更新されたかどうかサイトを見なければ分からないが、メールマガジンは更新の確認の手間がかからない。

 速報性を活かすといえば、アダルトサイトのURL紹介だ。モロ系のアダルトサイトは違法である。違法であるから見つかれば削除される。Googleでおもしろそうなサイトを見つけても、NOT FOUNDが頻繁に表示され、なかなか見ることができない。サーチエンジンに登録された頃には削除されてしまう。

 しかし、アダルトサイトのメールマガジンの情報は新鮮である。削除の制裁を受けていない。楽しむことができるのだ。アダルトサイト紹介系は、ニュースサイトとは違った意味で新鮮さが求められる。

【 メールマガジンに向くテーマか吟味しよう! 】

 メールマガジンに限らないことだが、運営にお金や手間暇のかかるテーマは個人運営には向かない。

 たとえばグルメ系のメールマガジン。これは個人や小資本ではムリだ。価格の安いラーメンをテーマにメールマガジンを発行しても、けっこう金がかかる。ラーメンの食べ歩きを仕事にしていれば、一日何食も食べられるが、本業が他の仕事ならば、一日二食が限界だ。

 それに、行動エリアが限られてしまうから、地域限定のものしかできない。地元密着のミニコミ誌やフリーペーパーならば成立するが、全国相手のメールマガジン向きのテーマではない。

 自分の好きなテーマを選ぶことは大前提であるが、メールマガジンに向くテーマなのか、地元関連のメディア等で人気になるコンテンツなのかを十分に考える必要がある。

【 文字で表現するのが最適なテーマを見つけよう! 】

 ビジュアルに向く表現と文章で向く表現がある。

 メールマガジンはHTML版の発行が可能としても、ビジュアル的にはかなり制約が加えられてしまう。ビジュアルなら一目で理解できるものを文章で表現するのはナンセンスだ。

 たとえば、パソコンソフトの操作解説。操作場面のキャプを取れば一目瞭然だが、ファイル(F)から上書き保存(S)を選びクリックなんて文字でびっしりと書かれても、うんざりしてしまうだけだ。

 明らかにビジュアルに軍配があるタイプのテーマを、テキストでというとセンスそのものを疑われかねない。

【 一画面で完結するコンテンツを考えよう 】

 モニターの画面だけで完結するものと印刷しなければ使えない(もしくは使いづらい)ものがある。

 たとえばパソコンソフトの解説系は、HTML版で発行したとしても、モニターの画面だけでは完結しない。雑誌・書籍並みのレイアウトを施しても、解説画面と操作画面を切り替える必要がある。

 e-ラーニングの可能性を盲信している人間もいるが、お門違いも甚だしい。英語などの語学教材は一画面で成立するが、パソコンソフトの解説やSEO的な、解説画面と操作画面の両方を必要とするものは、メールマガジンはおろか、ビジュアルいっぱいのホームページでも適さないのだ。

 ツインモニターならば二画面を必要とするコンテンツも成立するが、ツインモニターはマニア環境だ。そのようなマニアの支持を取り付けるのは、かなりの水準の内容を要求される。

 お勉強や解説系のメールマガジンを作る場合、メールソフトの表示画面で完結し、印刷することを要求しないものを作ろう。

【 裏技ならばパソコンソフト解説系にも活路あり! 】

 確かにパソコンソフト操作系は、メールマガジン、ホームページ、e-コマース系には向かない。これは書籍や雑誌の分野である。

 しかし、パソコンソフトも高機能化が進んで、すべてを使いこなそうと思ったら、きりがない。また、すべての操作方法なんて覚える必要もない。しかし、人によっては知っていると便利という機能がある。メールマガジンでも、このような機能の裏技的な使い方の紹介や、読者さんからの疑問に答えるタイプのコンテンツならば十分成り立つ。

 書籍はページ数が限られており、最大公約数が満足する項目を選ばなければならない。雑誌はテーマの自由が利くが、こちらもページに限りがある。また、その号で完結させなければならない。ホームページはユーザーのスキルがバラバラで、質問をいちいち受け付けていたらたまったものではない。

 しかし、メールマガジンの場合、自分のスキルに合っているから購読を続けているわけで、読者さんのスキルもある範囲の中に収まる。同じスキルを持つ人ならば、疑問に思うことはだいたい同じだ。読者さんからの質問を吸い上げて、それをコンテンツにしても十分に役立つものとなる。

【 超マニアックな題材を扱ったメールマガジンを発行しよう! 】

 硬式野球といえば高校部活動の華だ。軟式野球といえば、草スポーツの王道だ。だが、「準硬式」という競技人口も少なく、エリートスポーツにもエンジョイスポーツにも属さない特殊な野球が存在する。

 準硬式野球を簡単に説明すると、硬式のボールの芯に軟式野球のボールを被せた、硬式と軟式の折衷のボールを使う。なぜ、革の代わりにゴムを被せるのか、「準硬式野球 起源」で検索してみたが、答えは得られなかった。これはあくまで想像だが、日本が貧乏だった頃、革が高いから安いゴムを代用したのではなかろうかと思うが、起源を知っている人がいたらぜひともご一報願いたい。

 他にも、男子ソフトボールとか、男子シンクロとか、女子相撲とかつらさだけはマラソンには負けないが、世界陸上とオリンピック以外では放送されることはない競技に競歩がある。やっている本人は硬式野球やサッカーをやっているものたちに負けず劣らないほど真剣で、より深い楽しみを見つけている。

 メールマガジンもそうで、読者数何万も集めるようなテーマがある一方で、人口は少ないが、きわめてマニアックに、きわめてストイックに追求するのに向いているテーマがあるはずだ。もし、マニアックな何かに情熱を燃やしていれば、それをテーマにメールマガジンを発行してみよう。発行部数は期待できないが、密度の濃い読者を集めることができるだろう。

【 報道の不自由な部分をメールマガジンで書こう 】

 メールマガジンに限らないが、インターネットは本音が書けるからおもしろい。

 新聞を読んでいてもおもしろくない。ほとんどの記事が「ここから先が知りたいんだよ」というところで終わっているからだ。新聞の発行部数が減っていると言うが、国民の知的水準に追いついてないから、そっぽを向かれている気がしてならない。

 紙媒体側の言い分は、「ネットで情報をゲットできるから売れない」が一般的だが、どうも現実から逃げている言い分にしか思えない。つまらないから売れないのだ。紙媒体の方が予算もあるし、従事している人間も優秀だ。編集者ごっこ、出版社ごっこのホームページやメールマガジンに、本職のプロが負けるはずがない。

 新聞を読んでいて感じるのが、DVDのライティングソフトのような、肝心なところが抜けているもどかしさだ。DVDのライティングソフトはいろいろと発売されているが、一番欲しいある機能が搭載されていない。本音の部分がすっかりそのまま抜けている新聞と同じ状態なのだ。

 新聞社や出版社にはそれぞれの立場があって、書きたいことも書けないし、その逆で、書きたくないことを書いて商売にしなければならない面もある。報道の自由と言うが、報道はものすごく不自由なのだ。

 その不自由な部分の縛りがメールマガジンにはない。ひどい内容になれば裁判沙汰にもなろうが、そのあたりのさじ加減は一般的常識があれば可能である。マスメディアが書けないテーマが可能なのもメールマガジンの魅力なのだ。