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メルマガ向け上手な文章の書き方

【 小学生でも理解できる文章を書こう 】

 以前、オイラのホームページの文章を「中学生の作文」とか「文章に深みがない」と得意げに批評したつもりのヤツがいた。

 オイラはモニターで文字を読むのも書くのも慣れている方だ。それでも、モニターで読むのは疲れる。紙媒体ならば2時間3時間は何でもないというか当たり前だが、モニターを2時間も読んだら、目は疲れるし肩は凝るしでもう大変だ。

 メールマガジンの文章は、学者センセイが岩波新書に書くような専門用語をバンバン使った小難しく長ったらしい文章は向かない。小学生や中学生がすんなり読める簡潔な文章を書くのが読む人に優しい。たいして頭も良くないのに中途半端に勉強した人間は小難しい表現をありがたがるが、「頭がよろしくない」コンプレックスの裏返しでしかない。

 文章を簡潔に優しく書くのは勇気がいるかもしれないが、読んでもらえなければ意味がないのである。

【 読みやすい文体の作家さんの文章を何度も読み込もう! 】

 上手な文章を書くのにはどうすればいいのだろうか?

 高名な作家センセイや学者センセイが文章の書き方みたいな本を出しているが、正直あまり参考にならない。メールマガジンの内容は、作家センセイや学者センセイとは書くものとは異なるからだ。

 ではどうすればいいのかというと、さらりとした文体で書く作家さんやライターさんの文章を何度も読み込むことだ。

 不思議なもので、文章とか文体は読んでいる本に影響される。ふだん、小難しい専門書ばかり読んでいるインテリもどきは、小難しい文章を書く。オイラは最近『ゴーマニズム宣言』に凝っているので、ゴーマンな文章になっている。中谷彰宏に凝っているときに書いたとしたら、励ましいっぱいの文体になっていたかもしれない。

 書く作業は読んだことに対してのアウトプットだから、ふだんから書きたいタイプの文章を読み込むことが大切になる。

【 自分の書く文章のクセを把握しよう! 】

 オイラは自分の書いた文章が好きではないてゆ〜か、嫌いである。

 自分の文章を客観的に見ると

  • 〜ということ
  • 〜といった

などの同格表現が多い。

 それと、

  • 必要以上に接続詞を多用する
  • 意識していないと一文が無意味に長くなる
  • 「ねばならない」「必要だ」「大切だ」「べき」などの強制的な表現が多い
  • 「ダメだ」「いけない」などの禁止表現が多い

 最近では少しずつではあるが矯正されつつあるが、縛りのないところで文章を書く場合、ちょっと気を抜くと悪いクセが出てしまう。

 こういった文体になってしまうのはある種の職業病とも言える。オイラは予備校で英語を教えていたが、英語系の人間は同格表現や、関係代名詞のひっくり返ったやたら形容詞の長い表現や、受動態を多用する傾向にある。一語の助詞で済むところでも、大仰に接続詞を使ってしまう。接続詞なんてフェイスマークと同じで、ここぞというところで使ってこそ意味がある。濫用していたら単なるアホである。

「ねばならない」や「大切だ」「忘れずに」などの強制的な表現は、ガッコのセンセイと言われる人たちが無意識のうちに多用してしまう表現の代表だ。生徒に「ああしろ」「こうしろ」と命令しているから、言葉の意味の重さに鈍感になってしまう。

 文章にはいろいろなクセが出る。その癖が個性になるなら良いが、ほとんどが文章を分かりづらいものにしてしまう。自分では個性的と思っていても単に読みづらいだけの文章であるケースがほとんどなのだ。

 クセを把握し、それを矯正することで読みやすい文章になるのだ。

【 文体の悪いクセをなくすように努力しよう 】

 英語のセンセイや英語の文献を読んでいる人間(オイラのこと)は、

  • 〜を(について)思うことは ……である。
  • 〜を(〜について)考えることは……である。
  • 〜を(〜について)望むことは……である。
  • 〜が言うところによると……である。

と、本来は文末に持ってくる動詞を名詞的に使う傾向が顕著である。I think 〜、I hope 〜との英語の文法構造に影響されているからであろう。

 他に、動詞を名詞的に使うために、「こと」という言葉も非常に多く使う傾向がある。こういうオイラの文章も「こと」の使用が目立つ。このように文体はふだん読んでいるものが大きく影響してしまう。以前、高校のセンセイが書いた解説書(非受験参考書)を読んだことがあるが、一文一文に接続詞がついていた。これなど、ふだん接続詞を多用している本なり文献を読んでいるから、こんなことになってしまったのだろう。

 文体の悪いクセはすぐに身につくが良いクセは身につかない。悪いクセを矯正するように努力してみよう。

【 外来語は理解してから使うようにしよう! 】

 このサイト内で、オイラは意識的に外来語を使うのを避けてきた。理由は、カタカナ語を連発するとバカっぽく見えると判断したからだ。英語に対してのコンプレックスが強い人が多いらしく、その反動でやたらとカタカナ語を使いたがる。困ったもんだ。

 このメールマガジンを書くにあたって、いろいろなメールマガジンのバックナンバーを見たが、カタカナ語を使ってそれっぽく書いてあっても、だからどうなの? って感じで、まるで中身がない。人の受け売りで咀嚼していないのだ。内容が分かっていれば、それを日本語に置き換えることは可能だ。

 こんな見づらいモニターで、文章を小難しいものにしたら、誰が読むのか考えたことがあるのだろうか? と考えないのだろうか?

【 間違いやすい文字を防ぐ対策を立てよう 】

 パソコン誌でアプリケーションの解説記事を書いていたこともあるので、オイラはパソコンソフトに精通していると誤解されることもままある。解説記事を書くのと、使いこなすのとでは全然別の話だし、だいたいの操作方法は理解していても、ふだん使うかといったら使うことはない。

 オイラが原稿を書くのは「秀丸」一本でワープロソフトは使わない。「秀丸」の優秀なところは、簡単な設定で特定の文字を反転できる点だ。間違う文字や表記が揺れる文字はだいたい決まっている。変換ミスを起こしやすい字や、表記が揺れる文字、不必要に使ってしまう接続詞、差別用語などは、文字が反転表示されるように、秀丸側で設定している。反転されたところを見るだけで、95%以上の間違いは修正される。

 しかも、ただ反転できるだけではなく、色別に反転できる。たとえば、差別用語なら赤の反転、接続詞なら青の反転、間違いやすい語句は黒の反転と、色別で表示されるから、赤の反転がなければ差別用語はOK! 青の反転が少なければ、接続詞の多用はOK! 黒の反転をチェックして、打ちミスや変換ミスはOK! という具合になる。

 もちろん、読み直しは必要だが、おかげで、「携帯」と「形態」、「確率」と「確立」(これ、間違っている人が多いんですよ!)など一目でチェックできるのだ。

【 誤変換・打ちミスをしやすい文字を書き出してみよう! 】

 間違いやすかったり、ついついクセで多用してしまう文字をちょっと紹介してみたい。

【 同音異義語系 】

  • 確率/確立
  • 偏光/偏向
  • 包装/放送
  • 名刺/名詞
  • 以前/依然
  • 試験官/試験管
  • 内臓/内蔵
  • 送れ/遅れ
  • 送れる/遅れる
  • 月刊/月間
  • 週刊/週間
  • 裂ける/避ける
  • 懸賞/検証
  • 合う/会う
  • 発想/発送
  • もの/者/物/モノ
  • もし/模試

 何を書くかによって使われる言葉は違う。良く使う言葉で変換ミスが起こりやすいモノをリストアップしておこう。また、タイピングのクセによるうちミスもリストアップしておこう。

【 接続詞系 】

  • しかし
  • しかも
  • そして
  • なぜなら
  • なぜならば
  • だが
  • さらに
  • しかるに

 接続詞を多用すると文章がしつこくなる。不必要な接続詞は使わないようにしよう。

【 強制表現系 】

  • しなければならない
  • なければならない
  • ねばならない
  • ねばなりません
  • 必要がある
  • 必要だ

 他の言葉で言い換えが可能かどうか検討してみよう。強制表現はここ一発のときに使ってこそ威力を発揮する。

【 差別用語系 】

 確信犯的な使用を除けば、あからさまな差別用語をあえて使う人はいない(と思う)。気をつけなければならないのはBクラスやCクラスに分類される差別用語である。この中には「なぜこれが差別用語なの?」 と思われるモノも少なくはない。Googleなどのサーチエンジンで調べて一通り頭に入れておこう!

【 箇条書きを使おう! 】

 メールマガジンやホームページの文体は、紙に書いて読んでもらうことを前提にする文よりもシンプルに書く必要がある。モニターは文字が読みづらいからだ。文章をシンプルにする方法として、箇条書きがある。必要な事項を単文で列挙するだけでだいぶ読みやすくなる。

 メールマガジンは文章を味わうための媒体ではない。情報を伝えるための媒体である。こねくり回した文章を書くより、単純明快に書くのが読者さんにとって優しい。印刷を前提に読んでもらうか、モニターを前提に読んでもらうかで書き方は変わるのである。

 メールマガジンなんてものは、プリントアウトを前提に読んでもらうものではないし、プリントアウトを前提とするのはきわめてゴーマンなのだ。

【 文章は時間をおいて見直そう! 】

 文章を見直すときはある程度の冷却期間が必要である。

 文章を書いているとき自分では良いと思って書いている。書いた直後はおかしい箇所に気がつくことはない。しかし、日にちをおけば、表現が不適切だったり、論理矛盾を起こしていることが分かる。毎度のことだが、書き上がったばかりの文章にはいつも惚れ惚れとしてしまう。書き上がったというライターズハイな状態になってしまっているのである。とても客観的に見られる状態ではない。

 商業誌の場合、毎度ハイな状態になれるようなテーマを書いているわけではない。テーマや構成も決まっているので、それに合わせて文章を書き上げる作業をする。割と冷静でいられる。

 しかし、メールマガジンやホームページの場合、書きたい気分のときに書いて、何の拘束もない状態で、アイデアは自分の頭一つ。商業誌が制限時間内に書き上げる作業なのに対して、メールマガジンは創作活動もどきで、気分が乗るか乗らないかだけで書くことが許される。

 メールマガジンは編集者のつかないひとりぼっち状態なので、ある程度時間をおいて、冷静に自分の文章を見直せる状態になってから、見直しをするようにしよう。

【 見直しはプリントアウトして行おう! 】

 自分の書いた文章を校正するのは難しい。雑誌や書籍でも校正は編集や校正マンの仕事で、ライターも校正をすることはするが、あまり当てにされてはいない(ようだ)。個人発行のメルマガやホームページは多少の間違いがあっても許される。しかし、許されるからと言って、誤字脱字のオンパレードでは読者は離れてしまう(可能性が大)。

 見直しをするときだが、モニターではなくプリントアウトして行う。モニターだけの見直しもしないよりはましだが、見落としは避けられない。また、モニターだけで文字の直しをしようと思うと、目が疲れ、肩が凝る。校正はモニターで行う作業ではない。

 モニターの性能が上がっても、真剣に文字を読む作業は紙にはかなわないのだ。

〜 コラム 〜

 パソコンてゆ〜か、モニターで文字を読むのは大変な作業である。紙よりモニターが良いという人はほとんどいないだろう。しかし、ど〜ゆ〜わけか、電子ブックとか何かで、本を電子化したがっている傾向がある。辞書のような検索系はパソコンの方が便利だが、読み物系は果たして電子化されたところで好んで読む人がいるのか大いなる疑問だ。

 携帯で本が読めても、あの小さい画面はどうしようもないし、いちいち親指でスクロールするって考えただけでもうんざりだ。テレビ電話と並んで、かけ声ばかりで終わりそうなものの筆頭が電子ブックという気がしないでもない。

【 プロライター(編集者)のおきまりをちょっと紹介 】

 プロライターのおきまりごとでも意外に素人さんが知らないことがある。

 まず、「?」や「!」のあとには一文字空白にする。商業誌で書いていると、「?」や「!」のあとに空白を入れるのは、手が覚えてしまっているので、無意識のうちに入る。「?」や「!」を文中で連発するのは、あまり利口そうな印象は与えないが、プロっぽく見せたいのならば、試してほしい。

 この件に関して特に注意してほしいのが、オフィシャル系のメールマガジンだ。「?」や「!」のあとに空白がなければ、外部のライターに頼む金がなく、自分ところのスタッフに書かせてしまっているというのが一目でばれる。発行が「○○編集部」になっていても、編集部ごっこだ。編集経験者なんて誰もいやしないのだ。

「まぐまぐ」発行のオフィシャルマガジンはどうなっているか、「めるま」ではどうなのかなど、オフィシャル系メールマガジンが配信されたときに注意してみてほしい。

 他にも書籍名は「」ではなく『』で括るとか、いくつかのお約束事はあるが、雑誌等を見ながら番組名や雑誌名を括る括弧は? などと見てみるのも楽しいと思うので、この辺で。

【 同意を求める「〜と思いませんか?」 】

「〜と思いませんか?」のような質問には2つの意味がある。1つは本当の質問、もう1つは質問の形を取りながら同意を求めている。

 質問型は個人発行の徒然系で良く目にするが、ほとんどが同意を求めているものだ。自分を「いい人」に思ってもらいたいから、質問型で表現を軟らかくしているだけだ。この質問型、単に同意を求めているだけならば使う意味はほとんどない。本当に質問することにで、読者さんから意見を募らなければ、メールマガジンの発展はあり得ない。

 書くことだけが目的の個人発行徒然系ならば意見を募る必要はないが、何かにつなげたいと思うならば、読者さんたちからの意見を吸収するのは大切なことなのだ。

【 媚び媚びの文章ってどうよ? 】

 読者さんに嫌われたくないためか

  • 「〜なんですね」
  • 「〜なんですよ」
  • 「どう思われますか?」

など、媚びた文体に埋まってメールマガジンを見かけることがままある。

 オイラも以前、ある小規模なポータルサイトでこのような文体のメールマガジンを発行させられていたが、「金をもらっている」の一点で媚びた文章を書いた。巨人の応援歌も、阪神の応援歌も作曲してしまう小関裕而先生と同じだ。ゴジラもガメラも監督をしてしまう金子修司ともいえる。

 金が絡むとどうしても嫌われて苦情が来るというのが困ったパターンで、たとえ苦情の主が何万人に一人の変わり者であろうと、苦情が来たという事実だけがクローズアップされてしまう。読まれていようが読まれていまいが関係ない。苦情が来ないのが一番なのだ。苦情を処理するだけのスタッフも金がないからいない。商業メールマガジンの悲しい性である。

 個人発行のメールマガジンの場合、たとえ、99人、999人に嫌われても、声の大きな1人を味方にすれば十分だ。人は嫌われないようにたち振る舞うが、実際の人間関係を見てみると、声の大きな人間が、味方にくっつけば間違いはない。

 よほどの大手で大金が動くならいざ知らず、千円単位の広告でちまちまと人様のお伺いを立てるよりも、一緒に何かができそうな可能性のある人と知り合う方が遙かに有益である。メールマガジンなんて発行することはきっかけで、発行そのもので完結はしない虚構の世界だ。虚構の中に縛られるのは愚かなのだ。