人気メールマガジンの作り方概要〜どうすれば読者が増えるの? どうすれば人気メルマガになるの? 効果的なメルマガの告知方法はあるの? 徹底的リサーチにより、人気メルマガ発行のノウハウをリリースします。

人気メルマガの作り方

【誰を対象にするのかをはっきりさせよう! 】

 あまり否定的なことばかりだと「金融恐慌が起こる!」と、呪文のように唱えているいる慶応大学のK教授のようになってしまうので、楽観的にならずポジティブに考えなければならない。

 まず、メールマガジンを発行するときには

  • 「誰を対象にするのか?」
  • 「誰に認めてもらいたいのか?」

をはっきりさせなければならない。

「多くの人に読んでもらいたい」という気持ちは分からないではないが、プロが金をかけて出している商業書籍だって、初版はせいぜい3000部とか5000部が現実。重版がかかるのは幸運で、ほとんどの書籍が輪転機を再度回すことはない。公称何十万部と言っている雑誌だって、数万部しか発行されてなかったりする。商業出版でこんな状態なのだから、購読者の数を求めるのは現実的な話しではない。

 大切なのは、どういう人たちを対象にするならば、満足のいくコンテンツが提供できるのか? 対象とした人たちが自分にどういうメリットをもたらしてくれるのか? これらを考えることが大切である。

【誰を対象にするのが具体化してみよう! 】

 メールマガジンを発行する前に、自分のことを認めてほしい人を具体化してみよう!

  • 性別は?
  • 年齢は?
  • 職業は?
  • 地域は?
  • 最終学歴は?
  • 興味の対象は?
  • その他

 これらのことを具体的に紙に書き出してみる。ターゲットの人たちにどんなテーマだったら満足のいくコンテンツを提供できるかを書き出してみる。コンテンツが提供できそうならば、そのテーマがメールマガジンに向くかどうかの吟味の作業にはいる。コンテンツが提供できそうもなかったら……。今の時代、やれることは山ほどあるのだ。

【 メールマガジンは文章とコンテンツのみで勝負すると考えよう! 】

 メールマガジンはレイアウトやイラスト・写真のビジュアルでごまかしがきかない。文章とコンテンツで勝負しなければならない、厳しい世界なのだ。

 たとえて言うならば、みのもんたに対する多額のギャラが発生してしまったので、番組の主役に貧乏にあえぐ素人を起用し、そして修行させるといった貧乏救済番組や、石坂浩二・島田紳助にギャラを払ったら、他の出演者にギャラが払えなくなり、当時無名であった骨董屋のオヤジたちを番組に出演させるといった新手の手法を編み出し続けるテレビ東京のように、番組のおもしろさだけで勝負を強いられる厳しさがある。

 ついでに言うと、テレビ東京は、ニュース番組でも独自路線を歩み、大事件が起ころうが現地に外部スタッフを大量派遣したりすることはせず、局アナをレポーターにして各種展示会場に派遣するといった「自前主義」を貫き通している。「自前主義」なんて、ジャパネットみたいだ。

 メールマガジンもそうで、金も時間も使えない制約の中で発行しなければならない。しかも、おもしろいか役に立つかしなければ、そっぽを向かれてしまう。金を使ったビッグな企画もよいが、頭だけで勝負するスモールな企画も楽しい。頭を使うことに楽しさを感じられる人は、メールマガジンの発行者として、もっとも資質のある人なのだ。

【 メジャーなメールマガジンの亜流を見つけてみよう! 】

 継続性がありネタの心配がないメールマガジンに懸賞情報系がある。いちいち懸賞サイトに出向くことなく、配信されたメールマガジンから応募できるのが魅力である。

 だが、懸賞情報系は飽和状態である。継続性があって、ネタの心配がなく、かつ、頭を使う必要もなく、新鮮な情報が届けられるメールマガジンなんて滅多にありはしない。大手ポータルでも発行している。個人で大手ポータルに対抗するには、よほど差別化の図られるメールマガジンを発行するしかない。

 しかし、懸賞はネット懸賞ばかりではない。はがき懸賞だってある。こちらは、大手ポータルに食い荒らされていない分野だし、工夫次第で個人でも入り込む余地はある。

 大ヒットしているメールマガジンの亜流で勝負するのも選択肢の一つだ。

【メールマガジンは雑誌的な切り口にしよう! 】

 同じテーマを扱うにしても、雑誌と書籍では異なることがままある。

 以前グルメ本の取材で銀座を回ったことがある。「吉兆」とか「なだ万」など自腹では決して行けることのないお店を取材したかったのだが、あいにく担当ではなかった。

 取材した内容を記事にまとめていると、焦点がお店そのものとかシェフに合わせざるを得ない。ほとんどが銀座の名店だったので、冷凍物を使って、一年中同じ食べものを出すようなわけではなく、季節のものを大切な食材としているお店ばかりだったからだ。

 取材をしたのは夏で、刊行されるのは秋。それを一年間販売するのだから、取材時の夏の料理を中心に紹介しても意味がない。ハモは夏のものだし、夏にフグを食べさせるお店はない。取材から出版までのタイムラグが短く、しかも寿命の短い雑誌ならば、料理中心の記事は可能だが、書籍はそうはいかない。テーマが同じでも、切り口を変えざるを得ないのだ。

 メールマガジンは速報性が魅力なのだから、雑誌的な切り口が求められる。

【 人気のメールマガジンを細かく分類してみよう 】

 ホームページとは異なり、メールマガジンの発行部数のランキングを調べるのは簡単である。ランキングトップ200を「懸賞系」「英語系」「出会い系」「アダルト系」などと分類していく。中にはどうしてこんなメールマガジンにこんな読者がいるのだろう? と思うのもあるが、そんなのも分類していく。これで、メールマガジン購読者の主な嗜好が分かる。

 分類したものから、自分が発行できそうなジャンルを選び、それを再度分類する。たとえば、英語系を選択したとしたら

  • 「時事英語系」
  • 「会話系」
  • 「トーイック・資格系」
  • 「読み物・雑学系」

などのようにさらに分類をする。

 ここに隙間はないか、切り口を変えるともっとおもしろくなるものはないか、自分の発行できるレベルと分量を照らし合わせながら考える。思いつきで考えるよりもいろいろなことが見えてくる。

【 オリジナルをパクって読者を奪ってしまおう! 】

 人気メールマガジン作成の手段だが、オリジナルをそのままパクリ、一部の読者をいただくという方法もある。

 メールマガジンではないがこの手法を用いているのに、まぐまぐに対する○○○とか、マガジンハウスの「ポパイ」に対しての○○社の「○○○○○○○○」、奈良の中小企業○○○に対しての石油元売り会社系の化学メーカー製「○○○○○」などがある。

 この場合注意したいのが、単なるパクリではなく、真剣に読者を奪おうとする熱意である。パクリのホームページやメールマガジンもいくつも存在するが、オリジナルにはかなわない。パクリサイトやパクリメールマガジンの特徴は、オリジナルを適当にいじっているだけで、よりよいものにしようという姿勢が見られない。完成した砂のお城を、子供がグチャグチャにした感じのものばかりだ。

 真剣にパクレば、やがてオリジナリティが出て、違う切り口のものへと変身する。パクリは安易なものでは惨めだが、オリジナル以上の情熱をかければ、道は開ける。どちらがおもしろいコンテンツを発信してくれるかが購読者の興味であり、どちらが先でどちらが後とかというのは副次的な問題に過ぎない。

【 人気メールマガジンの特化版を作ろう 】

「リサーチするのも面倒だ」「真剣にパクるだけの情熱はない」というならば、人気のメールマガジンをさらに専門化・特化(平たく言えばスケールを小さく)し、より狭い市場を狙う方法もある。漫画にたとえれば、『美味しんぼ』に対しての『○○○○○○○』とか(これはどちらも同じ出版社か)などが思い浮かぶであろう。

「2パラグラフで英字新聞を読もう!」に対抗して、「2パラグラフで仏字新聞を読もう!」とか「2パラグラフで西字新聞を読もう!」など、英語をマニアックな言語に置き換えることで、スケールダウンは必至だが、元々人気のあるコンテンツの別言語版なので、その言語に対してのニーズがあれば、読者は獲得できる。

 自分で言うのもなんだが、このサイトは「Access向上大作戦」をメールマガジンに特化したスケールダウン版だ。よりマイナーなものに特化し、確実に読者をゲットするのも戦略の一つである。

【 かつての人気コンテンツをリバイバルしてみよう! 】

 リバイバルという手段もある。記憶を辿っていくと「亜麻色の髪の乙女」のヒットがそうだ。カラオケ大会で気持ちよさそうに熱唱した清水道夫の偽物が連日ワイドショーをにぎわし、本人よりも有名になってしまった。先日もテレビで放送されていたが、しっかりとモザイクがかけられていた。あれだけ流しておいて今更モザイクという気がしないでもないが、人権に対する配慮だろう。

 この偽物さんは、詐欺で捕まってしまったが、観客を十分楽しませ、町内会のカラオケ大会を全国レベルの知名度にした功績もあり、しかも、お金は返却したというのに、なんとも可哀想な話しだ。オイラが町内会の役員ならば、夏祭りのカラオケ大会のメインゲストとして、「亜麻色の髪の乙女」を熱唱してもらうのだが。

 以前、人気があったが、やる気がなくなったのか仕事が忙しくなったか、消えてしまったサイトやメールマガジンを探してきて、リバイバルさせるのはどうだろうか? 時代の流れに乗ってブレイクしたもの以外のコンテンツならば、復活は可能である。

【 自分の職業をネタにメールマガジンを書いてみよう! 】

 ホームページもそうなのかもしれないが、メールマガジンは、大きく分けると、

  • 自分の知識を認めてもらいたい系
  • 自分の考えを聞いてもらいたい・存在を知ってほしい系

に分かれる(ような気がする)。

 メールマガジンから何らかの利益を得ようと思うならば前者のタイプになる。自分の考えを人に聞いてほしいというのはきわめて難しい。エッセイストなど、たわいもないことを書いているように思えるかもしれないので、「自分も」と思う気持ちは分からなくはないが、中心のテーマのない徒然系を書くのは、生まれながらのセンスが必要となる。

 それに引き替え知識系のメールマガジンは、自分の専門にしていることをテーマに書けばいいので、センスを問われることはない。知識系というと何か特別な知識が必要と思うかもしれないが、人は誰しも専門的な知識を持っているのである。専門的な知識なしに仕事はできない。

 人間、自分の仕事以外のことに関しては無知である。たとえどんな職種職業であろうと、それの知識に特化したものならば立派な知識系のメールマガジンになるのである。

【 地味な職種だって視点を変えればおもしろいコンテンツを提供できる 】

 一昨年の春、手紙のテンプレートの文面作成の仕事をした。『メールの常識非常識』(キルタイムコミュニケーション)なんて本を出しているから、手紙文に精通していると思ってオファーしてきたのだろうが、オイラはビジネス文書なんて書くのは、取材依頼のファックスを送るときだけだ。

 お客さんに手紙を出すこともないし、取引先に手紙を出すこともない。クレームの処理もしたことはないし、会社の記念行事の手紙も書いたことはない。それに、総務が書くような健康診断のお知らせとか、人事が書くような会社案内や採用の合否通知なんて書いたことはない。

 せっかくの仕事を断るのも何だし、手紙について勉強になると思って受けたのだが、人に訊いたり、ネットや本で調べたりして、どうにか書き上げることができた。今では、営業文書も総務文書も人事文書も社長室文書もお手の物だ。

 しかし、ジャーナリスト志向の強いオイラは、どうも自分が書いたテンプレートの文書に納得がいかない面がある。理由は、オイラの書いた文書はすべて机の上で完結した文書だからだ。実験室での実験結果みたいなもので、「ビジネス文書は現場で書くんだ」的たたき上げの要素がない。

 原稿ができあがってから思ったのだが、職安の前に行って「総務経験者3時間1万円」とか「ベテラン営業マン3時間1万円」とプラカードでも持っていって、現場では実際どういうビジネス文書のやりとりがされているか、話を聞けばよかったと思ったのだ。

【 あなたの知識を求めているユーザーはたくさんいる 】

「手紙の書き方」的な本を読んでも、ビジネス書を書いている啓蒙オヤジだったり、担当の編集者も100人も社員がいれば大出版社みたいな特殊な会社環境で働いている。

 著者の啓蒙オヤジがかつてはサラリーマンだったとしても、大企業と中小企業とでは取引形態も社内システムも異なる。メーカーといっても、CMをバンバン流してお店で売る商品を作るのか、企業相手の取引メインなのかによっても変わる。中小企業でも、下請け専門なのか、それともコンシューマーを相手にするかによって違う。

 実際にユーザーにとって役に立つのは、自分の会社の業種や自分の職種、取引形態などに合致したものであって、万人向けのものではない。ベテラン総務や営業が、会社の規模と業種職種に特化した「手紙の書き方」のメールマガジンを出したら質の高い読者を集められるし、ホームページで再利用すれば一粒で二度おいしい思いができる。

 業種や職種があまりにも限定されるので、商業ベースには乗らないが、自分をアピールできるきっかけにはなる。長年お金を稼いできた仕事の知識はアウトプットできるのである。

【 ちょっとしたことでも人の関心を惹きつけることはできる】

 昔、スーパーで特売のお肉を買った。確か通常価格の4割引くらいだったと思う。しかし、何げにバーコードを見ていると、おしりの方に「1298」という数字が目にとまった。この数字は、割引の価格と一致していた。

 この下にもう1枚バーコードが貼ってあるだろうと、シールをはがしてみたが、旧価格のバーコードは見あたらなかった。これって、本当の値段が割引された価格で、元の売値はダミーだったのではないかと実にうまい方法だと思ったものである。バーコードバトラーが流行った時代ならともかく、バーコードの下の数字なんて誰も見ない。特価と思って買ったら定価だった。定価の味しかしないように感じたのであった。

 スーパーのパートというと、おばちゃんたちの定番で、別に珍しい仕事ではない。しかし、あの手この手でものを買わせる小売業、パートのおばちゃんたちには常識だが、消費者が知らないことだってたくさんある。そうでなければ、伊丹十三がスーパーを映画になんかしないはずだ。

 会社の裏話は聞くと楽しい。内部告発なんていう大げさなものでなくても、メールマガジンの人気コンテンツに十分なりうるのだ。それが身近でありふれた仕事であればあるほど、裏話はおもしろくなるのだ。

【 足を使って記事を書こう! 】

 オイラが雑誌記事を書くとき、二つの方法がある。一つは自分の知識を元に机の上で書く方法と、もう一つは取材と称して足で書く方法だ。個人発行のメールマガジンの場合は前者のケースがほとんどだろう。

 しかし、個人の知識なんてたかがしれているもので、雑誌単発で何ページなんてのはすぐに書けるが、メールマガジンのように継続し続けるとなると大変だ。これがメールマガジン発行のネックになる。メールマガジンも人に話を聞いて、それを材料にすると、ネタ切れの心配もないし、改めて知識を仕込む必要もない。

 ただ、個人発行のメールマガジンで「話を聞かせてくれ」と言っても、おいそれと「ハイ、よいですよ」とはならないだろうが、チャレンジしてみる価値はある。自分の中で完結させようとしているメールマガジンがほとんどだが、外のものを取り入れることで、さらなる発展が期待できるのだ。

【 ビラ配りのフリーター君のように断られてもあきらめない!】

 誰かに「話を聞かせてくれ」と言ってもたいがい断られるだろう。しかし、ここであきらめてはダメだ。駅前のビラ配りのフリーター君のように、断られても断られてもビラを配る姿勢を見習いたい。

 人にお願いする方法だが、メールが基本になるだろう。「自分は、これこれのメールマガジンを発行しています。ぜひともお話を聞かせてください」みたいな文章を丁寧に書けばよろしい。テキストファイルで最新号を添付するのもよいだろう。個人メールマガジンの場合は、商業取材とは異なり、バックに新聞社なり出版社は存在しない。誠意と情熱だけが相手に訴える唯一の手段だ。

 こもって自己完結するだけのメールマガジンが多い中、外部に活路を求めるのは有効な方法だ。

【 読者さんから知識や意見を積極的に吸収しよう! 】

 メールマガジンはだんだんつまらなくなってくる。

 発行直後のモチベーションを維持し続けるのは難しいし、おもしろいネタがそうそう転がっているわけでもない。読者さんの要求も無意識のうちに高くなっているから、同じクオリティのものを出していても、相対的につまらなく感じられてしまう。これはある意味避けられない現実で、解決方法が見つけられれば大もうけできてしまう。

 ある程度の期間発行を続けたら、特定の読者さんはついているはずである。その人たちにいろいろと質問したり、問いかけたりして、その答えをコンテンツとして使うのが手っ取り早い。また、読者さんがどんなコンテンツを望んでいるか知るきっかけにもなる。